作成者 :(株)クラスキャット セールスインフォメーション
作成日 : 05/04/2019
ClassCat® Eager-Brains とは
「ClassCat® Eager-Brains」はクラスキャットが提供する人工知能コレクションです。
深層学習フレームワークのデファクトスタンダードである TensorFlow の新実行モード Eager Execution に対応しています。[詳細]
「ClassCat® Eager-Brains」で提供される人工知能はクラスキャットが検証の上で仕様を公開致しますので、ユーザ企業は様々なタスクに対応する人工知能コレクションの中から要件に適合する人工知能を選択することが可能です。カスタマイズや再調整から導入支援までワンストップなサポートサービスも併せて提供致します。
本ページでは人工知能の画像処理の例として 電子顕微鏡写真のセグメンテーション タスクへの応用例を紹介致します。
画像処理 :- 電子顕微鏡写真のセグメンテーション
セマンティック・セグメンテーションとは
セマンティック・セグメンテーションは簡単に言えば、画像の各ピクセルをクラス分類するタスクです。
風景写真のように物体オブジェクトが分離しやすい画像では (表面的には) 物体検出とそれほど違わない結果を得ますが、今回取り上げるような生物医学的なタスクではセマンティック・セグメンテーションが目的に良く適合することが多々あります。
データセット
次の電子顕微鏡写真のデータセットを題材とします :
訓練データは、ショウジョウバエ 1 齢幼虫の腹部神経索 (VNC, ventral nerve cord) の serial section 透過電子顕微鏡 (ssTEM) データセットからの 30 セクションのセットです。提供される二値ラベルは、セグメントされた物体のピクセルのために白、残りのピクセル (殆どは膜組織に相当) のために黒で与えられます。
以下は訓練データセットのサンプルで、左側が電子顕微鏡写真で右側が正解ラベルです :
U-Net
セマンティック・セグメンテーションのために数多くの人工知能が考案されています。
FCN (Fully Convolutional Network), U-Net, SegNet, PSPNet 等がポピュラーですが、今回はその中から U-Net と呼称される人工知能を使用します。U-Net はオートエンコーダを改良したもので、その評価尺度 (メトリクス) としては集合の類似度を表わす Dice係数 (= Coefficient) が良く利用されます。
以下は U-Net 訓練時の損失と精度のグラフです :
予測
以下は訓練後の U-Net の適用結果です。
評価尺度として Dice 係数だけでなく、通常の二値分類も比較のために利用しました。
左側がテスト画像、中央が二値分類により訓練した U-Net による予測結果、そして右側が Dice 係数による U-Net の予測結果です :
このデータセットではテストデータに対する正解は提供されていませんが、目視が容易ですのでどちらも概ね正しく予測されていることが分かります。また、目視した限りでは二値分類でも Dice 係数でも明確な優劣はついていません。
他にも幾つか予想結果を掲載しておきます :
以上